大判例

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札幌地方裁判所 昭和46年(ワ)3193号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕<証拠略>を綜合すると、結局原告の前記傷害は昭和四六年一二月一二日左頬部に約五センチメートルの線状瘢痕と上口唇の変形を残して治癒したこと、現在の状態では右瘢痕等は他人に嫌悪の念を起させるという程度には至らぬこと、将来右後遺症のうち線状瘢痕は現状のままか或いは消失することが予想され、また上口唇の変形はその度を加えて原告の成長後再手術の必要性があると予想されていることおよび右後遺症は自賠法施行令別表一四級に該当する程度のものであることを認めることができる。

ところで傷害により労働能力を喪失したとしてその逸失利益を請求(編注―原告は満一八才から六〇才まで平均月収の一四%を喪失するものとしてその損害を請求している。)するには、その傷害によつて通常の労働に支障を来すことが予想され、かつその稼働能力の喪失の割合がある程度合理的に予測しうることが必要であると解されるところ、原告は昭和四〇年一二月一二日生の男児であつて(この点は当事者間に争いがない。)、前記のような内容、程度の後遺症によつて将来その労働能力の一部を喪失したということは認め難いし、また稼働上の不利益をうける可能性についても今後原告が稼働するにいたるまでの一〇数年の期間におけるその成長に伴う醜状痕の程度を現在合理的に予測することは不可能であるというほかない。

そして他に特段の立証もないので、この点の原告の主張は慰藉料額の算定において斟酌するに止めることとする。

(前川鉄郎)

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